交通事故において加害者が負う責任とは?民事と刑事の違いについて解説

交通事故を起こしてしまうと、加害者には法律上様々な責任が発生します。こうした責任の中には治療費や休業損害の支払いといった民事上の責任だけで無く、自動車を運転することで人をケガさせてしまった事に対する処罰としての刑事上の責任もあります。 こうした民事上の責任と刑事上の責任について改めて解説していきます。

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民事上の責任とは

民事上の責任と一般的に言われているのは、民法などの私法と呼ばれる法律によって発生する責任のことを言います。私法というのは、私たち一般市民同士のような私人間を規律しいている法律のことをいいます。 ちなみに、憲法や刑法のように、私人と国家などの関係で適用がされる法律については公法と呼ばれています。 さて、交通事故の加害者となった場合に、民事上発生する責任は不法行為責任がその主なものとなります。 不法行為というのは、交通事故の被害にあった場合のように、特に契約関係の無い人からの侵害行為によって損害を生じた場合に、その損害を填補するために損害賠償を認めるものです。 基本的には侵害行為によって発生した損害が損害賠償の対象になります。交通事故で言うと、治療費や入院などに要した費用、障害が残った場合の慰謝料、休業することによって発生した損害などが主な内容となります。

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刑事上の責任とは

刑事上の責任というのは民事上の責任と異なり、違反行為に対して科される刑罰のことをいいます。民事上の責任との最大の違いは、民事上の責任は請求する人が裁判などを行い請求しなければ、特に手続きが進まないのに対し、刑事上の責任を追及する手続きは警察などが捜査を行い独自に進んでいきます。そのため、被害者が届け出ないようなケースでも手続きが進んでいくという点が特徴です。 こうした刑事責任を追及するための手続き、いわゆる刑事裁判については、追求される責任の内容が異なるため、民事責任を追及する民事裁判とは別の手続きとなります。 したがって、被害者の方で注意しておいて頂きたいのが、刑事責任で有罪となったからといって、被害者に対する賠償責任が認められるという関係には立たない点です。 民事上の責任を追及するためには、必ず加害者または加害者が加入する保険会社と交渉を行う必要がありますので、十分注意しましょう。

まとめ

刑事裁判になっているから大丈夫と考えること無く、保険金や示談金の請求は行う必要があります。交通事故の被害に遭った場合にはすぐに専門家に相談しましょう。