交通事故の被害に遭ったが、保険会社がこちらの言い分を全く聞いてくれないというケースを体験された方は以外といらっしゃるのではないでしょうか。
こうした場合に相談先として考えられるのが弁護士です。
しかし、弁護士に相談すると費用などが心配になる方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は経済的に弁護士等を利用する事が難しい場合に国が用意している制度である法テラスについて解説します。
法テラスとは?
法テラスとは経済的な理由で弁護士などへ相談できない方を支援するために設けられたもので、弁護士費用だけでなく司法書士への相談料も扶助の対象となっています。
国が設立した機関で、利用者にとっての最大のメリットは相談費用を抑えることができるほか、弁護士費用などを分割払いすることができるという点が挙げられます。
法テラスを利用すると受けられるサービス
法テラスを利用すると以下の様なサービスを受けることができます。
①無料法律相談 ②弁護士費用扶助 無料法律相談については1回30分で3回までが対象となります。
また、弁護士費用扶助については、先ほど少し触れたように弁護士費用を分割払いできるというのがこれに該当します。
もう少し詳しく説明すると、一時的に弁護士費用を法テラスが立て替えてくれ、その後で分割払いで支払っていくという流れになります。
弁護士費用は比較的高額になりやすいので、分割払いにすることで出費を抑えることができるというのは大きなメリットと言えるでしょう。
法テラスの利用条件
法テラスは誰でも利用できるわけではありません。
以下の3つの条件を満たす場合に法テラスの利用は可能です。
- 収入・資産が一定以下であること
- 勝訴の見込みがないとはいえないこと
- 民事法律扶助の趣旨に適していること
以上のような条件を満たしていることが必要になります。
特に重要なポイントになるのが一つ目の条件です。
これは、法テラスが経済的に弁護士を利用できない方を対象としているための条件です。 具体的には、同居人数が1人の場合に手取りの月収が18万2000円以下(東京、大阪の場合には20万200円以下)であればこの条件に該当します。
なお、この計算に当たっては住宅ローンや家賃についても考慮ができる事となっています。詳細は法テラスのホームページを確認してみましょう。
法テラスのデメリット
法テラスを利用する事はメリットばかりではありません。
最大のデメリットは担当する弁護士などが必ずしも交通事故の問題に詳しくない可能性があるという事です。
というのも法テラスは登録している弁護士を自分で選ぶか、法テラス側が選んで依頼する流れになるため、選んだ弁護士が交通事故に詳しくないケースもあり得るためです。
費用面に不安のある場合には、交通事故に詳しい専門家に相談した上で、費用面も併せて相談してみましょう。