【交通事故と中心性脊髄損傷④】後遺障害が残った場合の生活費の工面方法

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中心性脊髄損傷となった方が当面の生活費を用意する方法

交通事故により中心性頸髄損傷を負った被害者の方は、しばらくの期間は療養のために仕事も休まざるを得なくなるでしょう。
場合によっては復帰が難しいケースもあるでしょう。

しかし、交通事故の損害賠償金は事故後すぐに支払ってもらえるものではなく、通常は相当程度時間が経過した後になります。
それでは被害者はどのように当面の生活費を用意すればいいのでしょうか。具体的な手段について解説していきます。

人身傷害保険・搭乗者傷害保険

人身傷害保険や搭乗者傷害保険とは、交通事故の被害者やその家族に対して加入していた保険から支払われる保険金です。
人身傷害保険や搭乗者傷害保険の保険金は約款上、生じた損害を全額賠償することができるほどの金額ではないことが多いです。
しかし、人身傷害保険や搭乗者傷害保険は約款で定められた金額が支払われますので、被害者側に過失があった場合にも約定の金額が支払われます。
したがって、被害者側に過失が大きく加害者に損害全額を請求できない場合に上記の保険金で補填することができます。

損害賠償金の仮払い

交通事故の被害者は加害者に対して不法行為に基づく損害賠償請求権を有していますが、裁判で勝訴判決を受けるまでは確定しません。
損害額が確定する前に加害者から休業損害や慰謝料の一部を仮払いしてもらえる場合があります。

仕事ができず収入が断たれた人は生活を維持するために休業損害の仮払いを受けることができる可能性が高いです。

生命保険

被害者の方が死亡していない場合であっても、約款の内容によっては、加入している生命保険から保険金を受け取れる可能性があります。
生命保険金の支払いを受けても加害者へ請求できる賠償金から控除されることはありません。なぜなら、生命保険金は払い込んだ保険料の対価であって交通事故との因果関係がないからです。
以上から、被害者は生命保険金と加害者からの損害賠償金の両方を受け取ることができる可能性があります。

労災保険

被害者の方が、仕事中または通勤中に交通事故にあった場合には労災保険から保険金の支払いを受けることができます
労災保険は自賠責のように120万円という上限がないので休業補償や治療費の打切りを打診されることがないこと、認定された後遺障害等級によっては年金が支給されます。
また、過失相殺による減額がない点も被害者にはメリットです。

傷病手当金

傷病手当金とは、被害者が怪我をしたために会社を休み、十分な給料を受け取れない場合に支給される性質のものです。これは健康保険に加入している被害者やその家族の生活を保障するために支給されます。
支給額としては、休業した期間の報酬日額60%に相当する金額が支給されます。

所得補償保険

所得補償保険に加入していた場合には、休業損害について保険金の支払を受けることができます
所得補償保険の保険金と加害者からの休業損害の賠償の両方を受けることは、二重取りになるためできません。
しかし所得補償保険が実際の休業損害の額を上回る場合であっても、実際の損害を上回る保険金を受け取ることができます。

仮渡金

自賠責保険が適用される場合、症状の程度や治療経過によって自賠責保険から被害者に治して仮渡金が仮払いされます
これは終局的に全保険金から差し引かれることになりますが当面の生活費に充てることができます。

借入れ

NASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)が交通事故に遭った被害者に対して生活に必要な資金を貸し付けています。
利用できる要件は限定されていますので一度ご自身がその要件に該当しているかどうかを調査する必要があります。

医療保険

公的医療保険では損害を補償しきれない場合には、民間の医療保険により損害を補償することができます。
補償内容は、入通院費用や手術費用など契約内容により異なりますが、治療費の負担が減ることでその分生活費に回せるお金が増えることになるでしょう。

中心性脊髄損傷となった方が将来の生活費を用意する方法

中心性頸髄損傷になった場合、将来の生活費を賄っていくことに不安が残ると思います。
そこで、将来の生活費を用意するための手段についても具体的に説明していきます。

損害賠償金

和解交渉や勝訴判決を得ることで加害者に損害賠償金を支払ってもらいます。
まとまった損害金を一括して回収することができます。

障害年金

傷病により受給資格を満たす被害者は障害年金を受け取ることができます。
厚生年金・共済年金1級または2級の後遺障害等級が認定された場合には、障害厚生・共済年金と同時に障害基礎年金も受給することができます。

労災年金

前述のように、労災保険では、後遺障害等級によっては労災保険から障害年金を受給することができます
障害年金と同時に障害厚生年金や障害基礎年金を受給する場合には、調整のために障害年金が減額されます。

 

 

中心性脊髄損傷を負った場合には重い後遺障害が残る可能性があり、被害者の方独りで解決を目指すのは非常な困難が伴う場合が多いでしょう。

そこで、弁護士に代理人として介入してもらい少しでも多くの損害賠償金を回収するべきでしょう。

まずは弁護士に相談することがおすすめです。

【交通事故と中心性脊髄損傷③】もらえる慰謝料

交通事故で後遺症を負った場合に被害者が受け取ることができる慰謝料にはどのような種類があるのでしょうか。

 

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交通事故で中心性脊髄損傷を負ったときにもらえる慰謝料

慰謝料の種類別に解説していきます。

入通院慰謝料

入通院慰謝料は傷害慰謝料ともいいます。

入通院慰謝料とは、交通事故が原因で負傷しその結果入通院したことに対する精神的損害を補填するために支払われる損害賠償金です。

 

慰謝料の算定のためには(1)自賠責保険基準、(2)任意保険基準、(3)弁護士基準の3つの基準があります。

 

(1)自賠責基準は、被害者を救済する観点から自動車を運転する人に加入が義務付けられている自賠責保険の基準です。

 

被害者への最低限度の補償として法律が定めたものですので、金額も最低限度の水準です。

自賠責保険の入通院慰謝料は、次の2つの計算方法で計算した上で金額が少ない方が適用されます。

 

4200円 × 通院期間

4200円 × 通院日数 × 2

 

たとえば、月10日の通院を6か月続けた場合の慰謝料計算は次のようになります。

 

(1)4200円×30日×6ヶ月=75万6000円 (2)4200円×実通院日数10日×6ヶ月×2=50万4000円

 

上記計算式から金額の少ない(2)の計算式が適用されます。
よって、このケースでは入通院慰謝料は50万4000円です

 

(2)任意保険基準は、任意保険会社が保険金を計算するために定めている基準です
任意保険会社が被害者と示談交渉をする際に利用される基準です。

 

交通事故の示談交渉の多くは被害者自身が保険会社相手に行うので、任意保険基準が適用されて慰謝料が算定されることが多いです。 任意保険基準は、自賠責保険基準よりは高く設定されていることが多いですが、裁判上被害者に認められた権利としての慰謝料と比較すると低めに設定されています。

 

保険会社によって基準の内容は変わってきますが、以下の表は任意保険基準の大体の目安としての相場になります。

 

任意保険基準により入通院慰謝料(単位:万円)

  0か月 1か月 2か月 3か月 4か月 5か月 6か月
0か月 0 25.2 50.4 75.6 95.8 113.4 128.5
1か月 12.6 37.8 68 85.7 104.6 121 134.8
2か月 25.2 50.4 73.1 94.5 112.2 127.3 141.1
3か月 37.8 60.5 81.9 102.1 118.5 133.6 146.1
4か月 47.9 69.3 89.5 108.4 124.8 138.6 151.1
5か月 56.7 76.9 95.8 114.7 129.8 143.6 154.9
6か月 64.3 83.2 102.1 119.7 134.8 147.4 157.4

 

 (3)弁護士基準とは、裁判例によって認められた金額に基づいて設定された基準です。

 

金額的には上記3つの基準の中で最も高い基準になっています。
ただ、弁護士に依頼して示談交渉を行う場合や訴訟を提起して慰謝料請求するような場合に適用される基準ですので注意が必要です。

弁護士基準の場合は症状の程度によって算定金額が異なりますが、骨折等の比較的重症の場合の慰謝料については以下の表のようになります。

 

重症の場合の入通院慰謝料(単位:万円)

  0か月 1か月 2か月 3か月 4か月 5か月 6か月
0か月 0 53 101 145 184 217 244
1か月 28 77 122 162 199 228 252
2か月 52 98 139 177 210 236 260
3か月 73 115 154 188 218 244 267
4か月 90 130 165 196 226 251 273
5か月 105 141 173 204 233 257 278
6か月 116 149 181 211 239 262 282

 

参考元:民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準

後遺障害慰謝料

交通事故が原因で後遺障害が残った場合には、入通院慰謝料と併せて損害保険料率算出機構から後遺障害認定を受けることで、後遺障害慰謝料の請求ができます。

 

後遺障害慰謝料とは、交通事故が原因で負傷し、将来にわたり完治しない後遺障害が残ってしまった場合にそのことに対する精神的損害を填補するために支払われる損害賠償金です。

 

後遺障害申請では、後遺症の種類やその状況の度合いによって、14の等級が存在しています。1級が最も重く、14級が最も軽い等級になります。

後遺障害慰謝料の金額は認定された等級に応じて決定されることになります。

 

入通院慰謝料と同じように3つの基準ごとに慰謝料相場が定められています。

 

それでは、3つの基準それぞれの慰謝料額を見ていきましょう

 

後遺障害慰謝料は、どの基準でも等級ごとに慰謝料が定められています。なお任意保険基準は各保険会社で基準が異なりますので推定値になります。

等級 自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準
第14級 320000円 400000 1100000円
第13級 570000円 600000円 1800000円
第12級 940000円 1000000円 2900000円
第11級 1360000円 1500000円 4200000円
第10級 1900000円 2000000円 5500000円
第9級 2490000円 3000000円 6900000円
第8級 3310000円 4000000円 8300000円
第7級 4190000円 5000000円 10000000円
第6級 5120000円 6000000円 11800000円
第5級 6180000円 7500000円 14000000円
第4級 7370000円 9000000円 16700000円
第3級 8610000円 11000000円 23700000円
第2級 99800000円 13000000円 23700000円
第1級 11500000円 16000000円 28000000円

死亡慰謝料

交通事故によって被害者が死亡した場合は、遺族が慰謝料請求を行います。
死亡した被害者の慰謝料のほか、遺族固有の慰謝料についても請求することができます。

 

自賠責保険基準による死亡慰謝料は被害者本人の慰謝料と遺族固有の慰謝料の2つを合計して計算します。
被害者本人の慰謝料は「損害賠償額算定基準2020(令和元)年版」という本では一律400万円とされています。

遺族の慰謝料については請求権者によって変動します。
ここで慰謝料を請求できる遺族は、被害者の父母、配偶者、子どもに限定されています。

慰謝料を請求できる遺族の人数 慰謝料額
1人 550万円
2人 650万円
3人 750万円

 

任意保険基準と弁護士基準での死亡慰謝料の相場は以下のようになります。
慰謝料の金額は被害者が家庭内でどのような属性の立場であったのかによって異なります。

死亡者の属性 任意保険基準 弁護士基準
一家の支柱 1500万円~2000万円 2800万円
配偶者等 1300万円~1600万円 2500万円
子ども・高齢者等 1100万円~1500万円 2000万円~2500万円

【交通事故と中心性脊髄損傷②】後遺障害の認定を受けるためにしておくべきこと

前回から交通事故と中心性脊髄損傷について解説をしています。

今回は、中心性脊髄損傷により後遺障害等級認定を受けるために被害者がやるべき行動についてみていきます。

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後遺障害の認定を受けるためにしておくべきこと

具体的に説明していきます。

MRIで画像を撮影しておく

早期の段階から詳しい検査を受けておく必要があります。脊髄損傷における後遺障害等級認定では脊髄損傷を直接的に証明する医学的な根拠としてMRIにより撮影された画像が重要です。
どうしてMRIによる画像が必要かというと骨折を伴う損傷のような場合であれば、レントゲン撮影によっても損傷の場所を確認することが可能です。

 

しかし、中心性脊髄損傷のような必ずしも骨折を伴わない損傷の場合には脊髄の過屈曲や過伸展が原因で生じます。
したがって、脊椎の骨折がない場合には損傷部位を見逃されやすいという特徴があります。
そこで、神経や血管、椎間板などの人体の軟部組織を撮影するためのMRIによる画像が重要になってきます。
交通事故直後にはなるべく早い段階からMRIによる撮影と画像による判断を受けておくことが後遺障害等級認定を獲得するためには重要な点です。

 

また、ひとくくりにMRIによる画像撮影といっても、解像度は機器により異なります。
そこで、このように診断能が低いMRI撮影の場合には腕や手指の上肢に麻痺やしびれがあったとしても、むち打ち症だろうと診断されてしまい、脊髄損傷が看過されてしまうリスクがあります。

 

MRIの診断能力はテスラという単位で表現されますので、MRIの診断能を確かめたい場合にはこの単位をあらかじめ調べておくべきでしょう。

神経症状テストを受けておく

後遺障害等級認定に必要な神経症状テストを受けることが重要です。
なぜかというと、運動障害や麻痺、痛みなどは自覚症状ですが、神経症状テストを受けることでその自覚症状を他覚症状として表現することができるからです。

 

それでは神経症状テストにはどのようなものがあるのでしょうか。
以下で具体的に説明していきます。

 

(1)反射テスト

反射テストとは、肘や膝などの腱に小さな刺激を与え、腱反射が正常に生じるか否かを調べる検査です。
脊髄に損傷がある場合には刺激に対する腱反射が通常よりも大きくなります。

また、脊髄に損傷がある場合には病的な反射も見られるようになります。
上肢に関しては、ホフマン反射やトレムナー反射と呼ばれる反射が現れ、下肢についてはバビンスキー反射とクローヌス反射などが現れます。

脊髄が損傷することで人間が本来具備している反射に対する抑制作用が阻害されるという状態が生じている可能性があります。
したがって、上記のような反射テストを行うことで被害者の方の意識に影響を受けずに脊髄損傷の有無について検査することができます。

 

(2)徒手筋力テスト

徒手筋力テストとは、筋力が低下している程度を調べるための検査です。
脊髄が損傷を受けると、神経が麻痺などの障害を受けるので、その神経を通って制御している筋肉を動かすことができなくなります。
したがって、使うことができなくなった筋肉の筋力が低下してしまいます。
そこで筋力低下の程度を知るために徒手筋力テストが有効です。

 

(3)筋萎縮検査

筋萎縮検査とは、左右の手足の周囲径の数値を図る検査です。
脊髄が損傷を受けると神経が麻痺し、その期間が長くなると筋力が低下します。筋力が低下すると筋肉が小さくなるのでやせ細って委縮してしまいます。
そのような筋肉の減少を検査するためには筋萎縮検査が有効です。

 

(4)知覚検査

知覚検査は触覚や痛覚、温度への感覚、振動への感覚、位置感覚に対して異常がないか否かを検査するテストです。

 

(5)手指巧緻運動検査

手指巧緻運動検査とは、箸を満足に使用して食べ物を運ぶことができるか、衣服のボタンをかけたり外したりすることができるか、衣類や靴の紐を結んだり程いたりすることができるか、ペンや筆を使って満足に文字を紙面上に書くことができるかなどの手指の細かい作業・動作がどのくらい満足にできるかどうかをテストする検査です。

 

専門の医師の診断を受けておく

脊髄損傷という障害は交通事故による受傷の中でも最も重症な怪我のひとつです。
後遺障害等級の認定を得るために症状を証明していくことは容易ではありません。
必要であれば様々な証拠を提出する必要も生じてきます。
前述のとおり、交通事故に遭ったあとはなるべく早い段階でMRIによる画像撮影をし、事故当初の医師の判断を得ておくことはその後の後遺障害等級を申請するにあたり重要となります。

 

中心性脊髄損傷は必ずしも骨折などを伴わないので当初の診断で見落とされる可能性が高い症状です。
手や指を動かして行う作業が難しい場合や、腕や足にしびれがあるような場合には脊髄損傷が疑われます。
また、前述のように神経症状テストを実施した結果、テストの結果が悪い場合には脊髄損傷が生じている可能性が高いです。

以上の点から、中心性脊髄損傷を負って後遺障害等級認定を受けるためには専門の医師による診断を受けることが重要であることに加え、高い精度と解像度のあるMRI設備を有している病院で診察してもらうことがポイントです。

【交通事故と中心性脊髄損傷①】中心性脊髄損傷と判断されたときの後遺障害等級

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交通事故に遭った場合に中心性脊髄損傷という怪我を負うことがあります。
これは症状も非常に重く、今後の生活に大きな影響を与える可能性がありますので今回は中心性脊髄損傷を負ったケースについて詳しく解説していきます。

 

中心性脊髄損傷とは

「脊髄(せきずい)」とは脳から背骨の中を通る神経のようなものです。
脊髄が損傷してしまうと二度と元には戻らず、損傷部分から下の部分には麻痺が残ってしまいます。
脊髄の損傷範囲が広範囲になるほど麻痺の範囲も広範囲になると言われています。

 

上記のような症状のある状態を「重度脊髄損傷」といいます。

脊椎を損傷した場合には意識は明瞭でも手や足を動かすことができなくなるため、寝たきりまたは車いすでの生活を余儀なくされます。
さらに肺機能障害や体温調節障害など全身に様々な不調が起こる可能性も高いですので、介護が必要になります。
自宅の改造費や介護用品の費用も高額になる可能性がありますので被害者の負担はかなり大きくなります。

 

脊髄損傷には首の骨や背骨に損傷がなくてもその内側の神経部分である脊髄に損傷を受ける場合もあります。その結果、上肢の麻痺や膀胱や直腸の後遺障害が残ることがあります。
損傷の箇所により失われる機能の場所が異なります。これらは中心性脊髄損傷(中心性頚髄損傷)と呼ばれています。
中心性脊髄損傷は外傷が軽微と判断されやすく、またX線撮影を実施しても画像に現れにくいため軽い頸椎捻挫などと判断されてしまうこともあります。
そのため被害者の方は必要な治療を受けられない状態が続くことがあります。

中心性脊髄損傷を専門とする医師に診断してもらい状態を明確にする必要があります。

 

中心性脊髄損傷の損傷部位や症状

次に中心性脊髄損傷の損傷部位や症状を種類別に説明していきます。

頚椎損傷の場合

頚椎損傷とは、首の部分を通っている脊髄神経が損傷を受けることをいいます。
脊椎損傷では、胸から下部の体幹部が麻痺するため動かせなくなります。
損傷したのが頚椎のどこかによって両手の可動に影響が出てきてしまいます。

例えば頚椎の下の方の損傷では自力で車いすを漕ぐことができます。
しかし頚椎の上の方を損傷すると指や手の運動が難しくなりますし、排せつもできなくなります。

胸椎損傷の場合

胸椎損傷とは、胸部の脊髄神経が損傷を受けることをいいます。
胸椎損傷では、損傷した胸椎の箇所がどこかによって体幹の動きに対する影響が異なってきます。

損傷部位より下部には麻痺が残るため身体の動きに影響が出てきますが、この部位の損傷は手を動かすことができるので、車いすを漕ぐことは可能です。
また、排せつはできなくなります。

馬尾損傷

馬尾損傷とは、腰椎の損傷の一種です。
最も下部の脊髄の損傷のことを馬尾損傷といいます
この馬尾損傷によって、下半身の全部に麻痺が残るということはありません。

損傷した場所によっては下半身の一部に麻痺が残る可能性はあります。
また、損傷した部位によって排せつについても不自由になる可能性があります。

 

中心性脊髄損傷と判断されたときの後遺障害等級

次に中心性脊髄損傷と診断された場合の後遺障害が何級に認定されるのかについて症状ごとに説明していきたいと思います。

頚椎損傷

頚椎損傷は別表1の第1級に該当します。自賠責保険上、最大で4000万円の保険金が給付されます。
第1級は「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」が認定基準です。
具体的には、以下の状態が認められるものです。

  1. 高度の四肢麻痺が認められるもの
  2. 高度の対麻痺が認められるもの
  3. 中等度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
  4. 中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便。更衣等について常時介護を要するもの

胸椎損傷

胸椎損傷は、上記で説明した頚椎損傷と同様、第1級「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」に該当します。自賠責保険上最大で4000万円の保険金が給付されます。

馬尾損傷

馬尾損傷の場合には、麻痺の症状に応じて、別表2の3級、5級、7級、9級のいずれかの後遺障害等級の認定がされることが多いです。
等級に応じてそれぞれ自賠責保険上、最大2219万円、1574万円、1051万円、616万円の保険金が給付されます。

3級は、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの」が認定基準です。
5級は「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」が認定基準です。
7級は「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」が認定基準です。
9級は「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限」

【獲得事例も紹介】通院していない場合も休業損害は認められる?請求可能な条件と相場・計算方法について(後半)

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休業損害の計算方法につい

ここでは休業損害の計算方法を説明します。
基本的には下記のような計算式により休業損害を算出します。

 

休業損害=1日当たりの基礎収入×休業日数

 

1日当たりの基礎収入は、給与所得者については交通事故の3か月分の収入の平均で算出することが一般的です。
個人事業主などは、直近の確定申告書の年間所得等から基礎収入を計算します。

基礎収入の算定のために、給与所得者であれば休業損害証明書を勤務先に作成してもらう必要があります。個人事業主の場合は前年度の確定申告書の控えが必要です。

休業損害証明書には交通事故前3か月分の休業日数とその間の給与額が示されています。この記載に基づいて交通事故前3か月の合計の給与額を算出して、それを90で割ると1日当たりの基礎収入が算出できます。

具体的な休業損害の計算方法の例示を見てみましょう。

 

給与所得者の場合

交通事故前の月収が30万円、事故による休業日数が50日だった場合を考えてみましょう。
1日当たりの基礎収入は、以下のように計算されます。
30万円×3か月÷90日=1万円


これに休業日数を乗じて、この会社員の休業損害は、以下のように算出されます。
1万円×50日=50万円

 

したがって、この事例の会社員の休業損害は50万円と計算できることになります。

 

個人事業主の場合

次に自営業の方の休業損害を見ていきます。

前年不度の所得と固定費の合計額が500万円の個人事業主について、交通事故による受傷が原因で休業した日数が30日間の場合を考えてみましょう。
1日当たりの基礎収入は以下の計算式で算出されます。

 

1日当たりの基礎収入=前年度の所得及び固定費÷365日


したがって、この個人事業主の方のケースでは、
1日当たりの基礎収入=500万円÷365日=1万3,698円
計算されます。

そして、このケースでの休業損害は以下のように算定されます。
1万3698円×30日=41万940円

 

以上より、このケースの個人事業主の方の休業損害は41万940円と算出されます。

 

専業主婦・主夫の場合

専業主婦・主夫の場合の休業損害の計算について解説していきます。

専業主婦・主夫の1日当たりの基礎収入は、「賃金センサス」をもとに算出します。


「賃金センサス」とは、厚生労働省より公表されている「賃金構造基本統計調査の統計資料」のことをいいます。

 

この賃金センサスをもとに全年齢の女性の平均賃金がいくらであるかを確認します。その年収を1年365日で割ることで専業主婦の1日当たりの基礎収入を割り出すことができます。
そして、入通院などを行った日数をかけることで休業損害が算出できます。

それでは具体的な事案をみてみましょう。

専業主婦の方が交通事故に遭い、休業日数が20日間であった場合を考えていきましょう。

 

賃金センサスをもとに女性の平均年収をみてみます。
2018年の女性の平均年収は、382万6300円です。


そこで、この専業主婦の方の1日当たりの基礎収入は以下のように計算されます。
1日当たりの基礎収入=382万6300円÷365日=1万483円

 

そして、この方の休業損害は以下のように計算します。
休業損害=1万483円×20日=20万9660円

したがって、このケースでの専業主婦の方の休業損害は20万9,660円となります。

 

アルバイト・パートタイム従業員の場合

次にアルバイトやパートタイム従業員の場合の休業損害の計算方法を解説していきます。

この人は、1か月10日勤務で、交通事故前の月収が15万円であったと仮定します。
この方の休業日数が15日間であった場合について考えていきましょう。

1日当たりの基礎収入は以下のように算出されます。
1日当たりの基礎収入=15万円÷10日=15,000円

 

そして、この方の休業損害は以下のように計算されます。
15000円×15日=22万5,000円

 

したがって、この方の休業損害は、22万5,000円となります。

 

会社役員の場合

交通事故の被害者が会社役員であった場合には、休業損害はどのように計算されるのでしょうか。
会社役員が受け取っている役員報酬は就労に対する対価ではありません。就労日数の多寡で変動する性質のものである可能性もあります。
上記のような場合には休業損害は発生していませんので、経営者は加害者に休業損害を請求することができません。

しかし、会社役員でも休業により何らかの減収が生じる可能性はありますので、そのような減収分については休業損害として請求できるでしょう。
会社役員の方が休業損害を請求できるか否かは個別具体的な事情によることになると思います。

 

無職者の場合

被害者が何ら仕事をしておらず収入を得ていない場合には、原則として休業損害は検討できません。
しかし、交通事故の時点で仕事をしていないとしても、企業から既に内定をもらっていた場合や就職することが決まっていた場合、就職先は決まっていなかったが就職活動中であるような場合には例外として扱われる可能性があります。
つまり、上記のような場合には就労により収入を得られる可能性が高かったということで、休業損害を検討する余地があるからです。

 

認められなかった休業損害を獲得した事例

交渉当初には認められなかった休業損害を、弁護士が交渉したことで80万円以上回収することに成功した事例を紹介します。

ある依頼人は、自動車で走行中に後方から別の自動車に追突され、頭部打撲に頸椎捻挫を負いました。1年半の通院の結果、症状固定と診断されましたが、首や頭の痛み、めまいや吐き気等の症状が残りました。
後遺障害については14級9号の等級認定がなされました。休業損害については依頼人が自営業で交通事故の後にも減収がなかったため、加害者側の保険会社は休業損害を認めませんでした。
依頼を受けた弁護士は、依頼人の後遺症による会社への損害は大きく、休業損害が認められないのであれば訴訟を提起せざるを得ないと粘り強く交渉を継続しました。

弁護士が交渉を継続した結果、休業損害が80万円以上支払われました。そのほか、後遺障害の逸失利益も116万円以上回収でき、賠償額の合計としては560万円以上で示談を成立させることができました。
保険会社は交渉当初には治療費の150万円しか認めていなかったため、400万円以上増額できたことになります。

このケースのように、症状固定したあとに後遺障害が残っている場合には、後遺障害等級認定の申請をして認定されると後遺症慰謝料や逸失利益という賠償金を受け取ることができます。それらの複雑な手続も弁護士に依頼することで一任することができます。

 

まとめ

今回は休業損害について職業別に計算方法などを解説しました。

一人で悩まず、専門家である弁護士に相談しましょう。
弁護士に依頼することで被害者の負担は大きく軽減されるに違いありません。

【獲得事例も紹介】通院していない場合も休業損害は認められる?請求可能な条件と相場・計算方法について(前半)

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交通事故のせいで仕事を休まざるを得なくなった場合には、加害者に休業損害を請求することができます。
どのような場合にどれくらいの金額を請求することができるのでしょうか。

今回は休業損害について解説していきます。

 

少し長くなるので2回に分けて紹介していきます。

 

休業損害とは

休業損害とは、交通事故が原因で受傷して、仕事を休まなければいけなくなった場合に、本来であれば得られたはずの収入が得られなくなったものを損害として、加害者に賠償請求できる金銭のことをいいます。

 

休業損害は通院しなかった日も認められるかどうか

休業損害は、休業日数に応じて請求できる金額が変わってきます。
休業日数とは、交通事故の負傷により就業できなかった日数のことをいいます。
基本的には、会社に作成してもらう「休業損害証明書」内に記載された休業日数がそのまま当てはまるといえます。

しかし、負傷の内容や程度に比して休業日数が過剰であるといえる場合には、休業証明書に記載のある休業についても請求の対象からは除外される可能性があります。

上記のような休業日数の考え方からは通院しなかった日であっても、交通事故の負傷により就業できなかった場合には休業損害が認められることになります。

 

休業損害が請求可能な条件とは

休業損害には請求可能な条件があります。
基本的には交通事故の前から仕事をしていて収入があったことが必要になります。

 

サラリーマン・自営業・アルバイトの場合

サラリーマンや自営業の方に休業損害が認められることに争いはありません。
また、アルバイトやパートタイム従業員、契約社員であっても、現実に収入があるため休業損害は認められます。

 

不労所得者・無職無収入の場合

家賃収入だけで生活しているような不労所得者には休業損害が認められるのでしょうか。
不労所得者は休業損害を請求することができません。なぜなら、交通事故による減収が存在しないからです。

同様な理由で無職無収入者も休業損害を請求することができません。

しかし、交通事故当時は無職であっても、近い将来、具体的な勤務先で働くことが決まっていた場合には休業損害を請求することができます

内定済みの大学生等については、就労時に予定されていた収入を基礎に休業損害が計算されます。

また、就労先が決まっていない場合でも仕事をする意欲と能力があり、就職活動をしていたような場合には、「賃金センサス」の平均賃金により休業損害を計算できます。

 

専業主婦の場合

専業主婦・主夫などの家事従事者は働いて収入を得ているわけではないので休業損害は請求できないのでしょうか。
現実には収入を得ていなくても家事労働には経済的な価値があると評価されています。
この場合、賃金センサスの全年齢の女性の平均賃金を利用して休業損害を計算します。

また、正社員としての給料やパート収入がある兼業主婦・主夫はどのように休業損害を考えればいいのでしょうか。
平均賃金より収入が低い場合には、家事労働に対応する経済的な損失を補填するという目的のため、平均賃金を利用して休業損害を計算します

 

まとめ

今回は休業損害について簡単に解説しました。
次回は職業別に計算方法などを紹介します。

ご自身のケースではどれくらい請求できるか、にわかにはわからないことが多いと思いますので、ぜひご期待ください。

高齢者が加害者になってしまった場合の交通事故について

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高齢化社会が叫ばれて久しいですが、昨今では高齢者のドライバーが起こしてしまった痛ましい事故の報道が後を絶ちません。

池袋での事故に代表されるように世間からは今高齢者ドライバーに対して非常に厳しい目が向けられていると言えます。

そんな社会問題の一つともなっている高齢者ドライバーの交通事故について今回は解説いたします。

 

高齢者ドライバーの事故に関するデータ

さて、報道では高齢者ドライバーによる事故が多数報道されていますが、実際のところはどうなのでしょうか。警視庁が出している交通事故全体の発生件数とそれに占める高齢者ドライバーの事故の割合についてしめした資料があります。

これによると平成19年から交通事故全体の件数は平成28年にいたるまで約半数近くまで減少しています。(68603件から32412件)

しかし、一方で高齢者による交通事故の割合は平成19年では約13%程度だったのが平成28年の時点では22.3%まで増加しています。

報道によるイメージだけで無く実際に高齢者による事故の割合は増加傾向にあると言えるでしょう。

 

高齢者による事故の場合とそれ以外の事故の場合

さて、では運悪く高齢者の運転する自動車によって交通事故の被害者になってしまった場合には、通常の事故とどのような違いが出てくるでしょうか?

 

変わらない点

基本的にはほとんどの部分で変わることはありません。高齢者の方は比較的経済的に余裕のある方が多いでしょうから任意保険に加入している割合も多く、保険会社とのやりとりで事故の処理が終わるという点は、通常の交通事故と変わりません。

なお、保険会社から提示された示談金の額については納得がいかなければ弁護士などの専門家を交えることがオススメなのも変わりません。

 

変わる可能性のある

池袋での自動車事故の際に大きな話題になりましたが、人を死傷させたケースでは刑事罰が科されることになります。そのため、場合によっては逮捕され身柄を拘束されるといったケースに発展することも可能性として十分に考えられます。

しかし、池袋の事件では逮捕されなかったため、社会から「上級国民」などと強い批判を受ける事になりました。しかし、これは本当に被疑者が「上級国民」だからなのでしょうか?

逮捕というのは、犯罪を犯していれば常に逮捕されるわけではありません。逮捕の必要性というものが要求されます。

というのも、逮捕というのはみせしめや罰のために身柄を拘束するのではありません。身柄を拘束することで逃亡を防ぎ、証拠隠滅などを防ぐために行うものなのです。

そのため、逃亡のおそれもない場合や、証拠隠滅をする可能性が無いようなケースでは逮捕の必要性が無いということになります。

池袋の事件の場合は、被疑者は相当な高齢の老人であり、社会的な地位も高いことからこれらを犠牲にして逃亡したり、証拠隠滅を図る可能性は非常に低いと判断された結果逮捕がされなかったのだろうと考えられます。

こうした判断は、高齢者ドライバーにも同様に当てはまる可能性があります。

例えば、高齢者は経済的に裕福である程度社会的地位もある場合が多いですから、こうした人たちが逃亡するという危険性はかなり低いと言えるでしょう。

また、交通事故もケースによりますがほとんどの場合は警察が実況見分で証拠を確保してしまうので、証拠隠滅も難しいケースは多いです。

このような観点からは高齢者ドライバーの場合には逮捕などの身柄拘束がされにくい方向に傾くという違いが出てくることが予想されます。

 

まとめ

しかし、少し申し上げたとおり逮捕や身柄拘束は罰のためにされるものではなく、あくまでも逃亡などを防ぐためのものです。こうした点を除けば高齢者ドライバーもその他のドライバーも加害者として大きく異なる扱いをされる可能性は低いと言えます。

互いに交通ルールをしっかりと遵守し、交通事故防止に努めましょう。

自営業者で交通事故に遭った場合の注意点

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私も含めて司法書士や弁護士と言った職業は個人事業主、いわゆる自営業者になります。こうした自営業者は交通事故に遭ってケガをしてしまうと、仕事が全くできず非常に困った状態に立たされてしまいます。

会社員の方であれば有給休暇を取得するという方法もあるのでしょうが自営業者にはそのようなものはありません。休んだら休んだ分収入はゼロです。

そこで今回は私たちのような自営業者が交通事故に遭った場合に注意すべき点について解説していきます。

 

交通事故におけるサラリーマンの場合と自営業者の違い

交通事故の被害者になった場合には、休業損害と言われる仕事を休んだことによって発生する損害を補償してもらうことが保険金や示談金などでできます。こうした休業損害はサラリーマンの方の場合には計算が非常に容易です。

というのも付きの収入額が決まっているため、そこから1日辺りの収入を計算して休んだ日数をかけることで大まかな休業損害の金額を計算することができます。

しかし、自営業の場合は売り上げが月によって変動する事も多く、たまたま仕事が忙しい時期に事故に遭ってしまったようなケースではその後の仕事への影響も考えると、簡単には算出できるものではありません。

では、自営業の場合休業損害はどのようにして算出するのでしょうか。

 

自営業者の休業損害の計算方法

まず最初に断っておきたいのですが、自営業者の休業損害について必ずこれを用いて計算すると言った方法はありません。実際に裁判になっても裁判所が様々な資料を基にその辞令において妥当と思われる方法を用いることで事案の解決を図っています。

ここでは、一番理解しやすい方法として青本と呼ばれる日弁連交通事故相談センター本部が出している「交通事故損害額算定基準」に従った計算方法を紹介します。

この計算方法は非常にシンプルで以下のようになっています。

 

「事故前年の確定申告所得額」×「365分の1」=基礎収入日額

 

つまり昨年の確定申告で出した金額を365日で割って1日辺りの平均的な収入を算出して休業損害を算定する方法です。さてこのような休業損害の計算方法を用いる場合には以下のような点に注意する必要があります。

 

固定費の算入

自営業の場合、オフィスやお店の賃貸料と言った、何もしなくてもかかる費用、つまり固定費が発生します。このほかにも固定費としてはスタッフの給与など様々なものがあります。こうした固定費についても休業損害に含めて計算することが可能です。

この計算を忘れてしまうと大きな損害に繋がってしまうので十分に注意しましょう。

 

外注に出した場合の費用

このほかにも自営業特有の損害としてあげられるのが外注に出した場合の費用です。本来自分が受けていた仕事を第三者に外注する必要が生じるケースが考えられますが、こうした外注に出す費用についても損害として認められます。

 

確定申告より収入が多い場合

これについては原則として認められないという点を考えておきましょう。もちろん収入が確定申告より多いことを立証できればこうした収入を基礎として休業損害を求めることは可能ですが、過少申告自体が違法行為のため裁判所の心証はかなり悪くなります。

基本的には認められないと考えておきましょう。

 

自営業の場合は心配事がいっぱい

サラリーマンなどの給与所得者と異なり、自営業の方が交通事故に合った場合には、心配すべき事項が多数に上ります。特に自分が休んでいる間に仕事や会社が正常に機能しているだろうかと言う点や、正しく休業損害の補償を受けられるかなど様々な点について心配になるところです。

こうした心配を解決するためにも自営業の方は交通事故に遭った際には是非専門家にご相談頂くことをおすすめします。

保険会社だけでの交渉が示談金が安くなる理由について解説

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交通事故が起きた場合、ほとんどのケースでは保険会社に互いに連絡して保険会社間で示談金の額に関する交渉が行われ、提示された金額に満足すれば、これにて事故の処理が終了するという流れで処理されているケースが非常に多いと思います。 しかし、こうした保険会社のみで事故の処理を行うと示談金の額が非常に低額になりやすいと言うことはご存じでしょうか。 今日はこうした保険会社だけで決めた示談金の額が低額になってしまう理由とその背景について解説いたします。

保険会社の示談金の額が低い理由1

私たち司法書司や弁護士と言った交通事故の案件を経験している人間から見ると最初に保険会社から被害者へ提示される示談金の額は非常に低額になっているケースがほとんどです。というのも、保険会社が作成する示談金の額は保険会社の基準に従って計算されたものになっているからです。 最近はようやく知られてきましたが、実は示談金の金額を決める基準には保険会社が用いているものと裁判所が裁判になった際に用いる基準の2つがあります。 そして裁判所が用いている基準の方が高くなっているというのが実態です。 ですが、一般の方はそんなことは知らないので、保険会社は保険会社の基準に従って保険会社で作成した示談金を提示し、それで事件の解決を図っているという訳です。 しかし、こうした基準はあくまでも保険会社にお任せしているから、保険会社の基準にのみ従った計算になるのですから、司法書士や弁護士と言った裁判にしても良いと言える人が話の中に参加してくると状況が一気に変わります。 そのため、保険会社との示談金の交渉は是非外部の専門家に相談してみることをおすすめします。示談金の額が一気に上がる可能性は十分にありますので、まずはご相談ください。

保険会社の示談金の額が低い理由2

保険会社の示談金の額が低い理由はもう一つあります。そもそも保険会社は何故裁判よりも低い基準を用いて事故処理をしようとするのでしょうか?これは単純な理由で、自社の利益を確保するために他なりません。 保険会社は保険料の支払いを受け、これらを運用などして増やし、保険金の原資に当てています。そのため、支払う保険金の額は少しでも安く抑えたいのです。 また、保険会社同士だけで交通事故の処理をしてしまうと互いに保険金の額を下げたいという思いが強くなることからどうしても低額に抑えてしまうという側面もあります。 このように考えると、やはり保険会社同士での交通事故の処理は被害者にとってはあまり良い結果をもたらす可能性は低いと言えるでしょう。

弁護士費用特約などを使用して積極的に外部の専門家を活用しましょう

では、どうすれば適正な金額を受け取ることができるでしょうか。これについてはやはり早い段階から外部の専門家を交渉に入れることをオススメします。 特に契約している保険に弁護士費用特約がついている場合、弁護士や司法書士へ依頼した相談料などは保険会社が支払ってくれるため、被害者の方の持ち出しはありません。 積極的に活用することをオススメします。 というのも、司法書士や弁護士が介入しない限り保険会社は裁判基準での保険金の基準を用いることはまずありません。こうした外部の専門家が入ってきて初めてその金額を基準にした交渉を行うようになるのです。 示談金の金額が低くて納得できないケースでは積極的に司法書士や弁護士へご相談ください。示談金の金額が上がる可能性が一気に高くなります。 交通事故という一生に一度あるかないかの一大事となる場面では、できる限り納得のいく示談金を受け取って事故を解決したいところです。 交通事故を納得のいく形で解決するためにも是非外部の専門家に相談してみてください。