交通事故を起こさないように気を付けるのは、ドライバーとして当然のことです。
しかし、いくら気を付けても防げない事故があります。
当て逃げです。
お買い物を終えて駐車場に戻ってきたら、愛車に見知らぬキズが付いていた!
そんな悲しい目に遭った経験、ありませんか?
でも自分の愛車が当て逃げにあってしまったときって、何をすればいいのでしょうか?
当て逃げのパターンと、自動車保険について考えてみましょう。
《パターン1:目の前で当て逃げされた》
車に乗っているとき、または乗り込む直前など、目の前で愛車が当て逃げされたらどうしますか?
おそらくあなたはパニックになり、ショックで頭が真っ白になることでしょう。
しかしこんなときこそ、愛車のために気持ちを強く持ってください。
そして以下のことを確認しましょう。
(逃げた車の)
- ナンバーを覚える
- 車種を覚える
- 色を覚える
女性の場合、車種を覚えるのは難しいかもしれません。
その場合は「軽自動車」「1BOX」「SUV」など、車の大まかな形状を覚えるといいでしょう。
そしてなるべく早く警察へ届け出てください。
逃げた車の車種・ナンバー・色が分かれば、短時間で加害者を見つけられる可能性が高いです。
加害車輛を目撃した場合は「情報が新鮮なうちに通報する」が鉄則です!
《パターン2:見ていないときに当て逃げされた》
当て逃げで一番多いのは、このパターンではないでしょうか。
このような状況だと、加害車輛を特定する情報がありません。
しかしこの場合でも、警察への届け出は速やかに行ってください。
加害者が見つかる可能性は低いですが、警察が出動すればお店や町中に設置されている防犯カメラの映像などを確認することができ、何らかの情報が得られる可能性もあります。
また警察へ届け出ることで、保険金の受け取りに必要な「交通事故証明書」などの書類を受け取ることができます。
《自分の保険を使うべきか?》
当て逃げで加害者が不明の場合、警察への届け出をしておけば、自分が加入している自動車保険を使って修理をすることができます。
ただし、以下のデメリットがあります。
- 翌年以降の等級が下がる
- 等級ダウンに伴い保険料が上がる
- 車輛保険が付加されていなければ修理代は補償されない
自分の自動車保険を使って修理を行う場合、金額によっては損をする可能性がありますので注意が必要です。
《加害者が見つかれば修理代を補償してもらえるか?》
パターン2のように加害者が不明な場合でも、警察へ届け出ておけば後から見つかることもあります。
そのような場合、加害者は被害車輛の修理代を賠償する義務を負います。
しかし、当然と思えるこの賠償義務には、以下のような落とし穴があります。
①自分の保険を使って支払い済みの場合、加害者からは回収できない
なんだか腑に落ちない話ですが、損害賠償(修理代)の請求は、損害が存在しないと請求できません。
保険で修理代を支払い済みの場合、修理代という損害は保険によって補填されているので、もはや存在しません。
したがって、被害者は加害者に損害賠償を請求できないのです。
②被害者が自腹で支払った場合は、加害者から回収できる
①のケースは保険によって損害の補填が完了していますが、②の場合は被害者が損害を受けたまま、現に存在しています。
そのため被害者は、加害者に対して損害賠償請求ができます。
③加害者が無保険の場合、踏み倒されるリスクがある
いくら加害者が見つかっても、支払い能力がなくては修理代を回収できません。
当て逃げをする理由の一つに「無保険」があります。
加害者が自動車保険に加入していない場合、修理代が回収できない可能性も充分考えられます。
《泣き寝入りをしたくないなら専門家に相談を! 》
せっかく当て逃げの加害者を見つけたのに、修理代を回収できないなんてイヤですよね。
どうしても相手に支払いを迫りたい!
そんなときは、法律の専門家への相談がおすすめです。
支払いを渋る加害者でも、裁判所を通じて手続きをすることで修理代を回収できるかもしれません。
と言っても、車の修理代くらいで弁護士に依頼するのはハードルが高いと思いませんか?
それなら、認定司法書士へ相談してみてください。
認定司法書士とは、訴訟額が140万円を超えない裁判の代理権を持った司法書士のことです。
車の修理代を請求する訴えであれば、140万円を超えないことも多いと思います。
弁護士に依頼する勇気が出ない方でも、司法書士なら少し肩の力を抜いて相談できるかもしれませんよ!