薬を飲んで事故を起こしたら保険は支払われるのか

寒さの続く2月です。体調を崩しやすい時期ですが、体調不良の場合には薬を飲んで症状を和らげる人が多いと思います。もし車を運転する場合、これらの薬にも注意が必要です。

薬物は麻薬や違法ドラッグだけとは限らない

体調を崩した場合、病院に行って薬を処方してもらうのが一般的かもしれません。しかし処方された薬の中には、副作用として眠くなるものもあります。

そのため、副作用で眠くなる薬を処方された場合は、「車を運転する機会はありますか?」と医師や薬剤師から確認されたり、

「薬を飲んだ後の運転はしないでください」と注意喚起されることがあります。

これは大袈裟な話ではなく、事故を防ぐために大切なことなので「多分大丈夫だろう」と自己判断することは絶対にしないでください。

「車を運転するので、眠くならない薬に変えてもらえますか」と相談してみましょう。薬を変えることが無理な場合でも、医師や薬剤師の指示に従ってください。

薬を飲んで運転して事故を起こした場合、被害者への補償はどうなるのか?

もし、眠くなる薬を飲んで車を運転してしまい、交通事故を起こしてしまった時にはどうなるのでしょうか?

交通事故の被害者への賠償は、自賠責保険も任意保険(対人及び対物賠償保険)も適用されます。

被害者は金銭的な補償がなされますが、お金で済む問題ではありません。自分の事情がどうであれ、相手に損害を与えてしまったことは事実ですから、誠意を込めて謝ることが必要です。

加害者になった場合、保険は払われるの?

もし人身傷害保険、搭乗者傷害保険、車両保険に入っている場合には、加害者は自分の起こした事故であっても、怪我の治療や、車両の損害に対する保険金を受け取ることは、原則可能です。

しかし薬物を服用している、飲酒運転、無免許運転の場合には、保険会社は免責されるという条項が作られていることもあります。

その場合には、加害者に対しての保険金は払われず、被害者だけに保険金が支払われることになります。

薬物による事故は判断が難しい

多くの保険は薬物についての免責事項があり、
麻薬、覚醒剤等の影響により、正常な運転ができないおそれがある状態」
などと書かれています。日頃、熟読することはないと思いますが、大切なことです。

免責条項に書かれている麻薬を使っての交通事故なら、保険が支払われないのは仕方ないですが、医師から処方してもらった薬を飲んだ場合については、過去の裁判で免責が認められた場合と認められなかった場合があるので、今後も注目していきたいと思います。