自動車保険の補償内容を、きちんと理解していますか?自動車保険には「聞いたことあるけど詳しくは知らない」という言葉がいくつかあります。似たような言葉でも補償内容が違ってくるので、きちんと理解して、自分に必要な補償を選びましょう。
こんにちは、あらきんです。
認定司法書士として、皆様の生活に寄り添う法律家を目指しております。
お客様から日々さまざまなご相談を受けておりますが、交通事故のご相談の中で意外と多いのが「補償内容が思っていたのと違う」というご意見です。
保険契約をされる方の殆どは、保険の素人さんです。
保険会社の方のように、保険商品一つ一つを細かく理解している訳ではありません。
そのため、実際に事故に遭われた時に「思っていたより役に立たなかった」という印象を受けてしまうようです。
そこであらきん、知っているようで知らない保険用語の解説をしようと思います。
今日のキーワードは「人身傷害保険」です!
【人身傷害保険ってなあに?】
自動車保険の証書を確認すると、入っている保険の補償内容が細かく書かれています。その一つに「人身傷害保険」という項目があるはずです。
「事故を起こしたときに、ケガ人に支払う補償かな?」
多くの方が、この程度の認識なのではないでしょうか?
それでも間違いではありませんが、人身傷害保険は補償の対象となる人や項目、支払い時期などが細かく決まっています。
以下、詳しくご説明します。
■人身傷害保険の適用範囲
人身傷害保険は、誰に適用するかで補償の適用範囲が変わります。
【パターン1:対象者が契約者本人またはその家族の場合】
(適用範囲)
1.契約している車、またはその他の自家用車に乗っている時
2.歩行中
【パターン2:対象者が契約者やその家族以外の場合】
(適用範囲)
契約している車に乗っている場合のみ
■保険金が支払われる対象
人身傷害保険は各保険会社規定の算定基準に従って、総損害額が支払われます。
損害額には通院費はもちろん、仕事ができない場合の休業補償や、亡くなった場合の葬儀費用も含まれます。
【人身傷害保険はいつ支払われるの?】
人身傷害保険は、損害の総額に対して支払われる保険です。
そのため理屈的には、損害の総額が分かれば支払いが行われることになります。
損害の総額は確定するまでに多少の時間が掛かってしまいますが、示談交渉が成立する前でも受け取ることができます。
【人身傷害保険の上手な使い方と注意点】
人身傷害保険は、対象者が契約者とその家族である場合、契約している車以外でも適用があります。
具体的には、契約している車以外の自家用車に搭乗中の事故や、歩行中の事故の場合です。
実はこれらの状況は、ご家族が別の保険契約で人身傷害保険を付けている場合、重複してしまう適用範囲です。
家族同士で重複した保険に入っていると、万が一事故にあってしまった場合、両方の保険が使えて手厚いように感じます。
しかし、その分の保険料が掛かってしまうので、見直す余地があると考えられます。
■重複部分の上手な使い方
人身傷害保険がいくつか重複場合は、特約を付けることで保険料の節約ができます。
片方の人身傷害保険に「人身傷害搭乗中のみ補償特約」という条件を付けると、重複している範囲の補償を削ることができます。
補償を削ると、その分の保険料を安くすることができるのです。
■特約の注意点
上記の特約を利用して重複部分を削った場合、後々注意しなければいけない点があります。
それは、重複部分が残っている人身傷害保険を解約すると、重複していた部分の補償が全て無くなってしまうということです。
自動車保険を解約する場合は、残った保険で何が補償されるのかを必ず確認しましょう。
一口に自動車保険と言っても、その補償内容はさまざまです。
保険は使わないで済むのが一番ですが、更新の時にはその内容をしっかり確認しましょう!